ご褒美
子どもの頃、父のおかげで、ヘチマが大きく育って嬉しかったことや、父が晩年得られたものなど、ささやかな喜びを感じられたご褒美・・・
ご褒美
‟ご褒美″というと
評価された結果についてくる贈り物
ご褒美をもらったことは...
幼稚園、小学校で作った絵や工作に、○○賞という賞状を贈呈された。というよりは、配られたといった感じでしたが、あれはご褒美といってもよいでしょう。努力賞とか、よく頑張ったで賞等、小さな賞状を含めると誰しも経験があるのでは。
一番嬉しかったのは、小学校で鉢植えしたヘチマの品評会で、クラスで一番なが~いと評価された時だった。夏休みに父が地植えにしたら、にょきにょき育ったのだ。
親しい友達のヘチマは一番重いと評価された。そのずっしりとした太いヘチマに対して嫉妬と悔しさを感じたのを覚えている。
自分はへちまを育てるための努力を何にもしていなかった。ほっといただけ。ヘチマへの興味も薄かった。品評会の後、見事な"たわし”に(父が)仕上げて喜んだだけ。なぜあんなに得意に感じ、一方で悔しさまで感じたのか。
自分がちびっ子だったから長いヘチマが嬉しかったのか、単に1番ということが気に入ったのか。
ヘチマを地植えした父に感謝してたし、さらに好きになってたなあ。些細ななことで子どもの心は動くものなんだな。
あの当時、父は週1回の休日には釣り堀に居たものだった。学校から帰って釣り堀に行くと父がいて、父の横で餌をこねて丸める私。ゼリーと糊を混ぜたような餌の感触が気持ちよくて飽きなかった。
父は、「もっと子ども(兄と私)に褒めてやればよかったと思う。」と言っていた。父は40台からテニスを始めて、いつからか、高校や小学校でテニスを教えていた。69歳で亡くなった時、お葬式に、テニス教室の子どもたちと保護者の方々が次々と参列くださって、私たち身内の者は驚いた。父はきっと、子どもたちにたくさん褒めていたんだろう。
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